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ソーセージとウインナー。続き。

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シリーズ記事

あれとこれの違い

今回のお題

  • JAS規格のソーセージ分類は間違いだらけ?

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前回の復習

あーたむ

あーたむ

おまたせ~。

いや~。やっぱりテレビのダイエット特集って、そんなんで痩せるわけないじゃん!っていうのと、そりゃそこまでしたら痩せるわ!ってのか、どっちかだよね~。

とびぃ

とびぃ

わかってるなら、最初から見るなよ・・・。

あーたむ

あーたむ

いや、それがおもしろいんだよ。

で、さっきまでの話、忘れちゃったから、もう一回おねがい。

はたさん

はたさん

(このひとに何かを教える作業は、賽の河原を連想させますね・・・。)

賽の河原

親より先に死んだ子供が、親不孝の罰(というよりも陰湿なイジメ)を受ける場所で、三途の川のほとり。

石を積み上げ、塔を完成させると許されるが、完成しそうなところで、鬼がやって来て積み上げた石を崩していく。

これが(ほぼ)永遠に繰り返される。

notes
みーたむ

みーたむ

(あーたむに何かを教えていると、いつもシーシュポスの岩を思い出すわ・・・)

シーシュポスの岩

ギリシア神話の一節。

シーシュポスという人物が、神を欺いた罰として与えられた苦行。(というよりも壮大かつ大人げない報復)

巨大な岩を山の頂上まで上げるよう命じられるが、あと少しで山頂というところで、毎回岩が転がり落ちてしまう。

これが永遠に繰り返される。

notes
はたさん

はたさん

では、みーたむさん。

ちょっと忘れっぽい人のために、日本の規格である、JAS規格での、ソーセージの分類について、もう一回お願いします。

みーたむ

みーたむ

はい。わかりました。

天然のケーシングに詰められたものの場合。

  • の腸に詰めた物が「ウインナーソーセージ」
  • の腸に詰めた物が「フランクフルトソーセージ」
  • の腸に詰めた物が「ボロニアソーセージ」
  • ウインナー
  • フランクフルト
  • ボロニア
  • sheep
  • pig
  • cow

人工のケーシングに詰められたものの場合。

  • 太さが20mm未満ならば「ウインナーソーセージ」
  • 太さが20mm以上36mm未満ならば「フランクフルトソーセージ」
  • 太さが36mm以上ならば「ボロニアソーセージ」
  • ウインナー
  • フランクフルト
  • ボロニア
  • sausage-circle-s
  • sausage-circle-m
  • sausage-circle-l

※ 画像はイメージです。

あーたむ

あーたむ

あ~、そうだったね。うんうん。

おもいだしたよ。もうおぼえた。もうだいじょうぶ。

はたさん

はたさん

そうですか。それはなによりです。

では、日本以外の国のソーセージ、主に日本での名称の由来となったものについてお話しましょう。

みーたむ

みーたむ

はい。お願いします。

日本での名前と本場の違い

はたさん

はたさん

まずフランクフルトからいきましょうか。

名称の由来は、ドイツのフランクフルト名産のソーセージ「フランクフルター・ヴルスト」です。

日本では、豚の腸か、太さが26mm以上~36mm未満の人工ケーシングを使えば、それだけでフランクフルトソーセージに分類されます。

しかし、本来の「フランクフルター・ヴルスト」は、豚肉のみを使い、しかも実は羊の腸に詰めて作られています。

そして、フランクフルトで作られたものでないと、「フランクフルター・ヴルスト」を名乗れません。

みーたむ

みーたむ

いきなり、日本の規格を根底から覆す事実ですね・・・。

はたさん

はたさん

次はボロニアソーセージです。

名称の由来は、イタリアのボローニャ伝統のソーセージ「モルタデッラ ボローニャ」です。

日本では、牛の腸か、太さが36mm以上の人工ケーシングを使えば、それだけでボロニアソーセージに分類されます。

ですが、本来の「モルタデッラ ボローニャ」は、豚肉のみを使い、ペースト状になるまで滑らかに細かく挽き、さらに、豚の喉の部分の脂身(ラルデッリ)を、さいの目に切ったものを加えて、牛の腸や膀胱に詰めて作られたもののことです。

そしてこれも、製造過程や生産地域に規定があって、それを満たしたものでないと「モルタデッラ ボローニャ」と名乗ることができません。

みーたむ

みーたむ

なるほど~。

フランクフルトソーセージも、ボロニアソーセージも、もともとは全然違う物だったり、厳しい基準があったりするんですね。

ヨーロッパは、食品の産地や品質の規定が厳しいとは聞いていましたけど・・・

産地や品質の規定

品質維持や産地保護のため、一定の基準を満たしたものだけが、その名称を名乗れる制度。

フランスのAOC、イタリアのDOC、欧州連合のDOPやIGP、など、様々な規定がある。

主に、ワイン・チーズ・ハム・ソーセージなどが対象。

notes
はたさん

はたさん

そうですね。品質はもちろんですが、産地が違うだけでも、その名前を名乗れないものがたくさんありますからね。

ですから、日本ではフランクフルトとか、ボロニアソーセージと呼ばれているものも、欧州ではその名称で販売することはできませんね。

本場では名称が使えないケース

実際の例として、日本やアメリカで「パルメザンチーズ」の名称で販売されている商品が、欧州連合諸国ではその名称で販売することはできず、名称を変えて販売している。

これは、パルメザンチーズの由来となった「パルミジャーノ・レッジャーノ」が、「DOP」という原産地名称保護制度によって認定・保護されているためである。

notes
あーたむ

あーたむ

え~、それって~、日本でたとえたら、あれかな?

○亀の会社じゃないのに、○亀製麺って名乗ったらダメってこと?

とびぃ

とびぃ

!?

みーたむ

みーたむ

!?

はたさん

はたさん

あ、はい・・・

あーたむさんは、それくらいのイメージでいいと思いますよ。

もしも、日本にも欧州連合のように、産地保護の制度があって、讃岐うどんがその対象になっていれば、不可能なビジネスだったでしょうしね。

丸亀製麺

本社が神戸にあるにも関わらず、丸亀という讃岐の地名を使い、讃岐うどん専門店を名乗る、セルフうどんの大手チェーン。

さらに、丸亀で修行したうどん職人が、ロサンゼルスで開店したうどん店「丸亀もんぞう」に対して、「丸亀」という名称を使うなとクレームを入れたことでも有名。

丸亀に関係ないのは丸亀製麺のほうな上に、地名の独占使用権があるかのごとき振る舞いが、一部の人間には理解不能であったため反感をかった。

ただし、クレームを受けた「丸亀もんぞう」はアメリカの店舗であり、アメリカでは「丸亀」が地名であるとの認識が無い。

さらに、丸亀製麺の運営会社である「株式会社トリドール」は、アメリカで、丸亀製麺のロゴと、「MARUKAME」の文字を商標登録していたため、道徳的にはともかく、法律的にはトリドールの言い分は間違っていない。

notes
はたさん

はたさん

まぁ、商売なんて、ルールは守るが、モラルは気にしない、くらいがちょうどいいんですよ。きっと。

みーたむ

みーたむ

売れない歌手や芸能人が、香川県を訪れてイベントやコンサートをしたときに、MCでご当地ネタを挟もうとして「丸亀製麺好きなんですよ~」などと口走ってしまい、会場を凍り付かせたり、するとかしないとか・・・。

とびぃ

とびぃ

うどん県に出店した丸亀製麺、超絶不人気らしいな。

最初から反感がある人もいるし、だいたいうどん県であの値段は高すぎるらしいわ。

あの値段は高すぎる。

讃岐地方のうどん店では、だいたい1玉200円前後だが、丸亀製麺は1玉300円近い。

notes
はたさん

はたさん

さてさて、ソーセージの話に戻りましょうか。

みーたむ

みーたむ

そうですね。

いきなり爆弾を投下されて、動転してしまいました。

はたさん

はたさん

では、三つ目、ウインナーソーセージですね。

名称の由来となったのは、オーストリアのウイーンのソーセージです。

ドイツのフランクルター・ヴルストが豚肉だけで作られるのに対して、ウイーンのソーセージは牛肉も混ぜられるのが一般的です。

ケーシングには羊の腸が使われるので、これは日本におけるウインナーソーセージの定義と一致します。

日本での定義と、由来になったものが、大きく食い違っていない例ですね。

ただし、ウイーンではウインナーソーセージという呼び方はされていません。

みーたむ

みーたむ

へぇ~。

ちょっと「ウインナーコーヒー」みたいな感じですね。

はたさん

はたさん

そうですね。

どちらも「ウイーン風」という意味で名付けられたものの、ウイーンではそう呼ばれていないという点が共通していますね。

ウインナーコーヒー

コーヒーの上にホイップクリームをのせたもの。

ちなみに、ウイーンでは「ウイーン風」とは呼ばれていないものの、同様のコーヒーの飲み方はされており、それがウインナーコーヒーの名称の由来だと思われる。

notes
とびぃ

とびぃ

それにしても、日本の規格と、その由来になったもので、これだけ違うもんなんスね。

はたさん

はたさん

はい。ソーセージは、国や地方によって様々な種類があります。

JAS規格はそれらを、日本の実情に合わせて、便宜的に分類したに過ぎないんです。もっとも、わたしたちは日本で暮らしているわけですから、それで別に困ることもないんですが。

ただ、ソーセージの分類を、JAS規格だけで語るのは、間違いではないですが、正解でもないと思いますよ。

まぁ、豆知識程度のことですがね。

あーたむ

あーたむ

だったらさ、もう無理にわけなくてもいいんじゃないの~?

みんな自分が好きなのを買うわけだしさ、そんなルールなんて意味ないじゃん?

みーたむ

みーたむ

!?

はたさん

はたさん

それでも、ある程度の決まり事は必要なんですよ。

製法や材料をもとに、商品の種類を分ける決まり事がないと、困るのは消費者の方なんですから。

あーたむ

あーたむ

え~?そうなの?

別に困らないと思うけどな~。

はたさん

はたさん

うーん、あーたむさんにわかりやすく言うと・・・

そうですね。ちょうどソーセージの話をしていたので、ソーセージで例え話をしましょうか。

魚肉ソーセージってありますよね?

ソーセージの中でも、魚肉や鯨肉が混ざっていると、その割合によって「混合ソーセージ」や「魚肉ソーセージ」に分類されます。

もし、そういう決まり事が無ければ、魚肉ソーセージをウインナーやフランクフルトの名前で売ることができてしまうわけですが、それって困りませんか?

あーたむ

あーたむ

イヤだよ~。それはこまるよ~。

コンビニでフランクフルトを買って、正体が魚肉ソーセージだったら、ショックすぎて、アクセルとブレーキを間違えちゃうよ。

とびぃ

とびぃ

確かに、フランクフルトだと思って食べて、実は魚肉ソーセージだったとか、ダメージがハンパねぇな。

最初からわかってたら別にいいけどな。魚肉ソーセージは安いし。

魚肉ソーセージ

魚肉や鯨肉の割合が15%以上50%未満のものが「混合ソーセージ」魚肉や鯨肉の割合が50%以上のものが「魚肉ソーセージ」

notes
はたさん

はたさん

ですよね?

ですから、たとえ便宜的であっても、たとえ本来の意味と食い違っても、決まり事は必要なんですよ。

あーたむ

あーたむ

そっかー。

やっぱりルールは大切なんだね。

みーたむ

みーたむ

その歳でいまさらそんな・・・。

あーたむも、すこしはルールや常識をわきまえて行動するようにしてください。

あーたむ

あーたむ

でも、ルールや常識にとらわれないのが、わたしのいいところだって、ばっちゃ、じゃない、とっつぁんが言ってた!

みーたむ

みーたむ

あのおっさん・・・余計なことをふきこみましたね・・・。

おまけ

はたさん

はたさん

ついでに、といってはなんですが、日本でよく誤解されているソーセージといえば「チョリソ」ですかね。

単純に、赤くて辛いソーセージだと思われていることが多いですよね。

とびぃ

とびぃ

え!?

違うんっすか!?

はたさん

はたさん

チョリソはスペイン発祥のソーセージですが、材料は基本的に豚肉で、挽肉ではなく細かく刻んだものを使うことが多いです。

そして見た目の赤さは、唐辛子ではなくパプリカを大量に混ぜ込むからなんです。

ですから、チョリソとは辛いソーセージではなく、パプリカを混ぜ込んだスペイン発祥のソーセージのことなんですよ。

とびぃ

とびぃ

でも、チョリソって言ったら、辛いやつしか見たことも食べたことも無いんすけど。

はたさん

はたさん

チョリソは、その昔スペインから南米に伝わって、南米で辛味の強いものに変化しました。

日本で多く食べられているチョリソは南米風のもので、あの赤い色もあいまって、辛いソーセージというイメージがついてしまい、そのまま現在にいたる。といった感じでしょうか。

最近は、スペイン風の辛くないチョリソも、ぼちぼち目にするようになりましたよ。

あーたむ

あーたむ

よーし、じゃぁ今日のポトフは辛くないチョリソを入れてみよ~。

とびぃ

とびぃ

おぉ~、そうだな。ナイスアイデアだ!

あーたむ!仕事片付けたら早速探しにいくぜ!

みーたむ

みーたむ

いつの間に、とびぃさんも一緒に食べることになってるんですか・・・?

はたさん

はたさん

若いって・・・すばらしいですねぇ・・・・。

今回のまとめ

  • フランクフルトの由来は、ドイツの「フランクフルター・ヴルスト」
    豚肉の挽肉と羊の腸でつくられる。
    ドイツのフランクフルトで作られたものでなければ、名称を使用できない。
  • ボロニアソーセージの由来は、イタリアの「モルタデッラ ボローニャ」
    豚肉をペースト状に挽いたもの、豚の喉の脂、牛の腸や膀胱でつくられる。
    産地・製造法などの基準を満たしたものでなければ、名称を使用できない。
  • ウインナーソーセージの由来は、オーストリアの「ウイーンで作られるソーセージ」
    豚の挽肉と牛の挽肉と羊の腸でつくられる。
    ウイーンではウイーン風と呼ばれていない。
  • 結論、JAS規格での分類は、その由来となったものとは全くの別物であり、日本国内でのみの規格。
  • おまけ。チョリソは辛いソーセージのことではなく、パプリカを混ぜ込んだソーセージ。